ここが天王山−。年金問題や閣僚辞任の逆風で、自民党劣勢が伝えられる中で迎えた参院選。公示日の十二日、じりじりと戦線が後退する自民党の現状を物語るように、強固な地盤を誇る山陰両県の「一人区」が、全国屈指の激戦地の様相を呈し始めた。与野党の天下分け目の戦いは、山陰を主戦場に幕を開けた。 「自民の牙城陥落」を狙う民主党は同日、鳥取に小沢一郎代表、島根に岡田克也元代表を投入。連合の高木剛会長も支援に駆け付けて攻勢を掛けた。自民党も、鳥取には麻生太郎外相、島根は三年前の自身の選挙ですら県外の応援に回った青木幹雄参院議員会長が、初日に陣取る布陣で対抗。 「鳥取、島根で勝つことは全国で勝つということ」と断言する小沢代表。鳥取空港でチャーター機を降り、向かった先は八頭町。保守層を切り崩す戦術そのままに、自民の牙城・農山村に切り込んだ。 役場前で約五百人に「自公政権は自由競争一辺倒。野放しすれば弱肉強