【ロンドン=有田哲文】ユーロ圏財務相会合議長のユンケル・ルクセンブルク首相とイタリアのトレモンティ経済・財務相は6日付の英紙フィナンシャル・タイムズへの寄稿で、欧州連合(EU)加盟国が共通の国債を発行すべきだと提案した。一部の国債が売れなくなっている事態に対応するためで、6日のユーロ圏財務相会合などで議論になりそうだ。 提案によると、欧州債務管理庁を創設し、各国の国債の半分までを共通国債で発行できるようにする。財政危機の国は借り入れの全額を共通国債でまかなう。米国債並みの厚い売買市場ができるので、投資家が後で手放せなくなる心配が減り、新発債も買いやすくなるとしている。財政規律を保つため、財政不安の国の国債と共通国債を交換する場合には一定割合を減額する。同様の構想はかねて欧州でくすぶっていたが、財政規律が緩むとしてドイツが反対し、議論が進まなかった。