【シンガポール=岡崎哲】マレーシアの裁判所が昨年末、キリスト教週刊誌に神の訳語として「アラー」の使用を認める判決を下したことに対し、多数派のイスラム教徒が反発を強めている。 同国からの報道によると、首都クアラルンプールで8日、500人規模の抗議デモがあったほか、9日までに首都などのキリスト教会4か所に火炎瓶が投げ込まれ、2か所で建物の一部が焼けた。 イスラム教が国教のマレーシアでは、国民の6割がイスラム教徒。政府は「アラー」の使用はイスラム教徒に限られるとして、昨年1月、カトリック系週刊誌「ヘラルド」マレー語版について、「アラー」の不使用や、キリスト教徒のみへの頒布を条件に1年間の発行を許可した。だが、キリスト教の神もマレー語で「アラー」と訳される事例もあるため、発行人の大司教が昨年2月、発行条件の解除を求めて政府を訴えた。 裁判所は昨年12月31日、「アラー」使用について憲法の「信教の自