【イスラマバード=五十嵐誠】中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相は17日、インドに引き続きパキスタンを訪問し、同国のギラニ首相と会談した。両国はエネルギー、鉄道建設、文化面などで協力を拡大する13の合意文書に署名した。中国はパキスタン国内での36の開発計画に、5年間で約140億ドル(約1兆1750億円)の投資をするという。 合意には、大洪水に見舞われたパキスタンの復興支援などのため、約2億2900万ドル(約190億円)の無償資金協力や約4億ドル(約335億円)の借款を供与することも盛り込まれた。中国側は国内大手の中国工商銀行の支店を首都イスラマバードに開設するなど、両国間の経済交流を促進する方針だ。 パキスタンにとって中国は最も親密な友好国。中国は米国などの懸念をよそに、電力不足に悩むパキスタンの原発建設を支援するなど関係を深めている。