(2010年10月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 28日にハノイで開幕した東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議では、世界通貨戦争への懸念が主要議題になる可能性が高いが、ホスト国であるベトナムはかなり違った経済問題に直面している。経済成長を維持しろという政治的な圧力が、マネーサプライに関する懸念を凌駕しているのだ。 その結果、インフレ率は再び2ケタに迫っており、ベトナムの通貨は大きな圧力を受け、人々は先を争ってドルや金を買い求めている。 共産党大会を控え、何をおいても成長を維持しようとする政府 だが、世界金融危機を受け、経済成長を維持するために2009年に金融政策を緩和し始めた共産党政権は、金融引き締めを渋っている。来年1月に予定されている重要な共産党大会を前に、成長率が低下したり、動きの鈍い国有企業が倒産し始めたりすることを心配しているからだ。 このため、ベトナム経済の過熱に