前橋市の中心商店街で商業と歴史のシンボルとして市民に愛され、国の有形文化財に登録された同市千代田町の旧麻屋百貨店の建物が取り壊されることが4日、分かった。 年内に解体が始まり、市が敷地を購入して「8番街区」の一画として再開発を進めていく。昭和初期のアール・デコ調の建物は見直されつつあったが、商店街の低迷の波にはあらがえなかった。 建物を所有する「麻屋」の手塚道雄社長によると、百貨店は鉄筋コンクリート造りで地上3階、地下1階、延べ床面積は約1320平方メートル。1934年に手塚社長の曽祖父が県内初の百貨店としてオープンさせた。 百貨店は64年に閉店し、その後は貸しビルに。市民が様々な会合に利用し、一時は市にぎわい観光課やザスパ草津がグッズを販売する「ザスパーク前橋」が入居していたが、現在は空室になっていた。 2007年5月には国の有形文化財に登録され、手塚社長は保存の道を探ってきたが、経営状