曲のヒットから長い時が過ぎた80年代に上京した筆者には、どうも、御茶ノ水が学生街というのがピンとこない。すでに中央大学の郊外移転が完了して「御茶ノ水=学生街」のイメージは薄れていた。 また、『学生街の喫茶店』の作詞をした山上路夫氏も、モデルとなった店や学生街はなく、誰もが体験した学生時代の思い出や風景を歌詞にした。と、語っている。 山上氏の経歴を調べてみると、青山学院第二経済学部中退。歌詞に自らの学生時代の思い出を投影するにしても、それは御茶ノ水ではなく表参道界隈だろう。あそこも通り沿いにある店からは、窓の外に美しい街路樹が見られただろうし。 この曲を歌ったガロの3人もまた、御茶ノ水とは縁遠い。唯一、大学生活を経験しているリーダー兼ギター担当の日高富明氏は、日本大学芸術学部の出身だ。彼が思い浮かべる学生街は、御茶ノ水ではなくて江古田のはず。 インターネットのない時代でも、その程度のことはす