踏切には通常、遮断桿と呼ばれる長い棒状のものが使われますが、かつては、特に幅の広い道路の踏切で、ワイヤーやロープを用いた昇降式が見られました。なぜ数を減らしたのか、そして今でも見られる場所ではなぜ存続しているのでしょうか。 広い範囲を網羅できるワイヤー昇降式踏切 「踏切」と聞けばほとんどの人が、遮断機を支点に長い棒(遮断桿と呼ぶ)が弧を描くように動く様子を想像することでしょう。最近の遮断桿は繊維強化プラスチックでできていますが、かつては竹も使われていました。そして一昔前は、遮断桿ではなくワイヤーが上下に移動する、さながら最新式の昇降ロープ式ホームドアのような踏切がよく見られました。 この踏切は数を減らし、2022年現在は見つけるのが困難ですが、更新されずに残っている場所もあります。 拡大画像 工場地帯にある四日市港線の踏切。遮断桿ではなくワイヤーが上下に動く(2020年11月、小川裕夫撮影