かつて若い世代の男性から絶大な支持を得た週刊誌、『平凡パンチ』。その1974年4月28日号に、興味深い記事が出ています。題して「ダサイもシブイもベシャってる……“女子高生チャン”に浸透する流行語―分析」。70年代半ばの若者ことばを特集した2ページの読み物です。 このタイトルには、当時新しいと見なされた語が織り込んであります。「ダサい」(=やぼったい)、「シブい」(=あか抜けている)は、その頃の流行語でした。 「ベシャる」は、耳慣れない人もいるかもしれません。「しゃべる」の倒語(前後の音を入れ替えたことば)で、戦前からあります。記者は、これも70年代の流行語という扱いで書いているのか、それは分かりません。 記事の冒頭にはこんなリードがついています。 〈ダサイ野郎、ダサイ教師‥‥“ダサイ”なる言葉を生活にとけこませてしまった女高生世代。/今、一体どんな言葉を使い、どんな話し方をしているか〔下略