2022年8月、米大手投資ファンドのベインキャピタルが、ネット広告事業と恋活・婚活マッチングアプリ事業を展開するネットマーケティング社を、135億円で買収することが報じられた。同社を創業した宮本 邦久氏に売却の理由を聞くと、背景には同氏がエンジェル投資家としての活動に専念したいという思いがあるという。 ■上場企業の創業者がエンジェル投資家に転身するケースは、日本では希少だ。今回はハワイで休暇中の宮本氏を、現地で取材した。 上場企業経営者のエンジェル投資参入を阻む「縛り」 宮本氏はネットマーケティングを創業する前、ベンチャーキャピタルのITXに勤務していた。当時、自身に経営経験がないことによって投資先への支援が疎かになってしまうことがあり、悔しい思いをしたという。そこで事業を見極める力を身につけ、自身で投資の意思決定ができる資金を手にしたいという思いを強めていった。 宮本氏は2つを実現するた