遺伝的な要因だけで決まるわけではない 子どもが親に似ていると、「やっぱり血は争えない」などといって遺伝のせいにしがちです。学力についても、わが子の成績が悪いと、「私の血をひいているんだから仕方ない」などと自嘲気味に言う人もいます。 でも、よく考えてみてください。子どもが親に似るのは、すべて遺伝の力によるものなのでしょうか。 たとえば、日本語を話す家庭に生まれ育てば日本語を話すようになり、英語を話す家庭に生まれ育てば英語を話すようになります。日本人の遺伝子をもっていても、英語圏の英語を話す家庭に生まれ育てば、当然ながら英語を話すようになります。このように、どんな言語を話すようになるかは、遺伝によって決まるのではなく、環境によって決まります。親が話す言葉が環境要因となって、子どもが話す言葉を規定していくのです。 親がいつも本を読んでいる家庭で育つ子が本をよく読む子になり、親がほとんど本を読むこ