高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** トム・クルーズの「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」(Mission: Impossible – Rogue Nation)を観た。 「Rogue Nation」というのは、「ならず者国家」とでもいうような意味だ。国の管理下になってその法に従わない集団もこう呼ばれることがある。だから、トム・クルーズの所属するIMF(Impossible Mission Force)もCIAには従わない「ならず者集団」ではある。 結論から言うとこのシリーズ5作目になるスパイ大作戦「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」は、大変面白い作品だ。 東側諸国が崩壊して以来、スパイ映画は作りにくくなったと言われる。仮想敵がつくりにくくなったからである。「ありそうなリアリティ」を持つ陰謀論を組み立てなければならないのがスパイ映画だ。そうな