2017年に急成長を遂げた、エネルギー業界の新星スタートアップ。業界に風穴を開けたのは、泥臭く実直な姿勢を貫く起業家だった。 これまで一切取材に応じてこなかった、次のユニコーンとの呼び声高いスタートアップがある。累計調達60億円、IT化が遅れていたエネルギー業界に新風を吹かす、名越達彦率いるパネイルだ。 「未来から逆算した壮大な目標として、電力供給の完全自動運転の達成を掲げています。“エネルギー市場に最先端のテクノロジーを”と、電力とインターネットを結ぶ唯一のプラットフォームを作ることにこだわりました」 アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の登場がネット業界の構造とその未来を一変させたように、彼らのクラウド型電力小売基幹システム「パネイルクラウド」は、電力業界に大きな変化をもたらそうとしている。 日本の電力小売りの生産性は、戦後60年近くにわたって欧米諸国対比で低いままだった。日本の電力業