念入りな下調べで致命傷を避ける 企業活動にとってもっとも大切なことの一つは、経営者の「決断」である。リターンを求めるためにはいつもリスクが伴うからだ。それゆえ事前の研究・調査の徹底性と慎重さが必要だ。とくに経営資源の限られた中小企業の場合はなおさらである。設備投資、新しい領域への進出……、悩みは尽きない。それが経営者の醍醐味であるといってもよいにしてもだ。 北陸・越前市でビニール袋など特殊包装資材の加工販売をしている豊ファインパックの田中利希也社長は、この春、久しぶりに地元の経営者仲間とゴルフにいき「田中さんが最近は仕事熱心であることがスコアにあらわれている」とからかわれたという。さんざんの出来だった。 この4年ほど田中社長は、海外展開に追われていた。そして今でも追われている。4年前、たまたま筆者の本を読んだ田中さんが大学の研究室に訪ねてきた。マーケットの拡大の難しさ、人材育成のことなど、