私たちは、今まさにウェブの精神を守ろうと奮闘しているところだ。従来の放送環境のようなごく少数のブランドメディアから発信される一方通行のコミュニケーションをとるか、それとも何億もの小さな花を集めて豊かなサービスとして花開かせ、そこをユーザが自由にナビゲートできるようにすべきか。コンサルタント、メディア評論家、「プッシュ」ベンダーの多くは、ユーザを操りたいと思っている。Esther Dysonの新著は、はっきりとユーザに味方するものである。そして、ウェブによって、自らの行動の権限、自由、選択、責任が個人に集約される世界を模索している。ウェブを1兆ドル規模のメディアにするためには、Dysonのヴィジョンを実現させなくてはならない。広告が勝利すれば、ウェブは1000億ドル規模で停滞するだろう。 『Release 2.0』 [訳注: 邦訳『未来地球からのメール』吉岡正晴 訳/集英社刊 ISBN 4-