3メガバンクやセブン銀行、NTTグループ、JR東日本などが参加するデジタル決済インフラの実現を目指すための勉強会。6月に発表されたこの勉強会の座長を務めるのが、元日銀局長で、フューチャー取締役の山岡浩巳氏だ。山岡氏が最近、新刊『金融の未来──ポスト・フィンテックと「金融5.0」』(きんざい)を上梓した。山岡氏が考える、日本の金融業界の、日本の銀行の目指すべき姿を訊いた。 ──新刊のタイトルにある「金融の未来」というテーマは執筆時点であったのでしょうか。 そうですね。ただ金融の未来と言っているものの、金融に限った話をしたいわけではないんです。ここ数年、「Fintech」という言葉が大変注目されていますが、誤解を生みやすいと思います。Fintechは「金融に限ったテクノロジー(活用)」というイメージを持たれがちですが、それでは視野を狭めることになります。 たとえばアリババはフィンテック企業だと