東日本大震災で被災した岩手県大槌町で、会えなくなった人に思いを伝える「風の電話」のボックスが、老朽化して壊れる寸前になっている。被災した人らが多く訪れて受話器を握り、心の内を語ってきた。この場所を守りたいと、設置した同町吉里々々(きりきり)の庭師佐々木格さん(73)が使わなくなった電話ボックスを探している。 風の電話は、佐々木さんが2009年に病死した親類の遺族のために発案した。「電話」を通じ、親類が亡くなった人に心の内を話して欲しいという意図だった。閉店したパチンコ店にあった木製の電話ボックスをもらって自宅の庭に運び、線のつながっていない黒電話を置いた。 屋根を付けたり、周囲の庭造りをしたりして完成間近だった11年3月11日、震災が起きた。4月に完成すると、報道や口コミで広まり、多くの遺族らが訪ねるようになった。 「あなたは誰と話しますか 風の電話は心でします」。電話ボックスの中にはそん
4月からの認可保育施設への入所を決める「1次選考」で、待機児童の多い全国78自治体では、4人に1人が入所を認められなかったことが、読売新聞社の調査でわかった。 政府は2016年度に、保育の受け入れ枠を全国で11万人分以上増やしているが、保育ニーズの高い年齢や地域への対応が進まず、依然事態は深刻だ。 認可保育施設とは、保育士数などで国の基準を満たし、都道府県などから認可を受けた施設。東京都の「認証保育所」など自治体が独自基準を定めている施設は認可外で、今回の調査対象ではない。 調査は2月28日~3月16日、東京23区と政令市、17年4月時点の待機児童数(厚生労働省発表)が100人以上の自治体の計87市区町村を対象に実施した。 1次選考の結果については、非公表などとした9自治体を除く、78自治体から回答があった。それによると、計28万3188人の申し込みがあり、そのうち24%にあたる6万899
中核機関への期待を語る新井教授(左端) 日本社会福祉士会(西島善久会長)は7日、成年後見制度の利用促進に関連し、市町村向けの手引きの概要を明らかにした。政府の基本計画に基づいて原則市町村ごとに設置する中核機関の機能を三つに整理した。必要とする人が同制度を利用できる社会を目指し、市町村間での取り組みに格差が生まれないようにする。 手引きは厚生労働省老健局の補助金事業により開発中。完成後の4月上旬にも同会ホームページで公開する。それに先立ち、同日、約500人が参加した都内のフォーラムで同会の委員会(委員長=新井誠・中央大教授、日本成年後見学会理事長)が説明した。 それによると、中核機関が担う第1の機能は個別の相談を受けて支援の必要性を検討すること。本人の親族や地域の福祉・医療関係者らがチームを組んでアセスメントする。 成年後見制度の利用に進んだケースでは、第2の機能として後見人候補者を推薦する
保育園の利用を申請し、落ちた場合などに、育児休業期間と育休給付金受給を延長できる国の制度を巡り、横浜市と川崎市が、保育利用の申請をしなくても延長できるようにするよう政府に求めている。育休延長のために形式的に保育の利用申請をする人が一定数いて、本当の待機児童数が見えにくくなっているためだ。 育児・介護休業法で、育休は子どもが1歳に達する日までとされている。育休期間中は、雇用保険の育休給付金として、給料の一定額を受け取れる。 保育園に申し込んだが入れなかった場合は、育休は2歳まで延長でき、給付金も受給し続けることができる。待機児童問題が慢性化するなか、保育園に入れず復職できない人のための、救済措置の性格だ。 だが実際には、「もっと子どもと一緒にいたい」などの理由で、個人の選択として育休の延長を望む人もいる。 川崎市の昨年4月入園に向けた申請では、利用申請をしたものの保留となり、かつ昨年4月1日
みの印章堂が開発 七曲市場の老舗はんこ店、みの印章堂は2月14日、介護される人の似顔絵を印刷したベストを発表した。イラストと共に、連絡先や「一人で歩いていたらこちらにご連絡ください」といったメッセージを添え、徘徊(はいかい)時に役立てる。淺井隆一常務は「笑顔になる似顔絵で、おじいちゃん、おばあちゃんの身を守りたい」と話している。 同社は2016年、似顔絵をあしらったメッセージ付きはんこが和歌山市のチャレンジ新商品に認定され、イラスト付き名刺やLINEスタンプなど、似顔絵を生かした商品を多数展開する。 箕尾光芳社長が現在85歳の母親を介護する中、似顔絵を介護に活用できないか思案。何度か行方が分からなくなった際、警察から「どんな服を着ていたか」と聞かれたことから、似顔絵が目印になると考えた。 ベストは、反射材の付いた目立つ蛍光色で、胸元と背中にイラストをあしらう。家族が就寝後に徘徊した際でも探
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