インターネットが世の中の「速度」を決定的に上げた一方で、その弊害はさまざまな場面で現出している。現代日本では、「語り口」だけが重視されてきたが、これからは「何を語るか」が重要だという。 前回記事『SNSに「書くこと」でどんどんバカになる人たち、その意外な落とし穴』に引き続き、宇野常寛さんが書いた『遅いインターネット』と三浦崇宏さんが書いた『言語化力』の両方に紐づけ、「言葉にすること」をテーマに、お二人にお話を聞いた。 リモートワークで「失われるもの」 ――「Twitterではこれがリツイートされやすい」とか、そういうアルゴリズムに沿って発言することが、つまり言葉の最適化が進んでいますが、どう思われますか。 三浦:少し話がズレるかもしれないけれど、アルゴリズムとかルールにしたがって最適化が進むと、リモートワークによって失われるものがあるんだよね。無駄話とか雑談がどんどん減ってるじゃん。「この