政治や社会を反権力の立場から鋭く批評したコラムニストの小田嶋隆(おだじま・たかし)さんが24日、病気のため死去した。65歳。葬儀は近親者のみで営む。 東京都生まれ。早稲田大卒。食品メーカーを退社後、ラジオ局アシスタントディレクター、作詞家などを経験する。雑誌「噂の真相」(2004年休刊)でコラムを…
うつ病にお勧めできる治療法と、そうでない治療法が分かります――。精神医療の専門家らでつくる認定NPO法人「地域精神保健福祉機構(略称コンボ)」(千葉県市川市)は、日本うつ病学会が医療関係者向けにまとめた治療のガイドライン(指針)を当事者や家族向けに分かりやすく解説したガイドブックを今春、発売した。コンボの担当者は「医師と患者が話し合って治療方針を決める際に活用してほしい」と呼び掛けている。【坂根真理】 ガイドブックは「当事者・家族のための わかりやすいうつ病治療ガイド」(編集・日本うつ病学会当事者のためのガイド小委員会)。同学会に所属する杏林大の坪井貴嗣医師(臨床精神薬理)が、コンボの機関誌で連載したガイドラインの解説が好評だったことなどから書籍化が実現した。連載をベースに、当事者や家族が実生活や診療で困っている実例も取り上げた。
政府は6月にまとめる経済財政運営の指針「骨太の方針」に、マイナンバーカードと健康保険証の機能を併せ持つ「マイナ保険証」の利用を促すことにより、将来的には現行の健康保険証について「原則廃止を目指す」と明記する方向で検討に入った。 マイナ保険証の推進は、デジタル技術で医療や介護分野を改革するDX(デジタルトランスフォーメーション)政策の一環。2023年度から、医療機関や薬局にマイナ保険証が利用できるシステムの導入を義務づけるとともに、24年度中には健保組合などの「保険者」が、引き続き現行の健康保険証を発行するかを選べる制度の導入を目指すことも骨太方針に盛り込む方針だ。 健康保険証は現在、健保組合などにより紙やプラスチックカードで発行されている。昨年10月からは健康保険証としても使えるマイナ保険証の導入が始まった。医療機関で、専用の機械に読み取らせれば本人確認ができ、専用のサイトやアプリで、処方
なぜ賃金は上がらないのか――。バブル崩壊後の長期低迷を経て、2010年代は人手不足に陥っても、日本ではなお賃金水準が停滞している。そうしたなか内閣府は22年3月、賃金上昇どころか、働き盛り世帯ではここ25年間で年間所得が百数十万円減っているという衝撃の分析を示した。「安いニッポン」の厳しい現実だ。 世帯所得「135万円減」の衝撃 内閣府は、総務省「全国家計構造調査」「全国消費実態調査」の個別データをもとに1994~2019年の世帯所得の変化を分析した。政府は今年の「骨太の方針」に「人への投資」の強化策を盛り込む予定で、その基礎資料として3月3日の経済財政諮問会議に提出した。 それによると、全世帯の年間所得の中央値は94年の550万円から19年は372万円と32%(178万円)下がった。 中央値とは、全世帯を所得順に並べたとき真ん中にある世帯の所得の値だ。統計では、平均値を使うことが多いが、
新型コロナウイルスの感染経路について、国立感染症研究所(感染研)は28日、ウイルスを含んだ空気中に漂う微粒子(エアロゾル)を吸い込んでも感染するとの見解をホームページで公表した。感染研はこれまでエアロゾル感染に否定的で、飛沫(ひまつ)感染と接触感染だけを挙げた報告書を発表していたため、国内の科学者が「世界の知見とは異なる」と説明を求めて公開質問状を出していた。 世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)などは昨春、主な感染経路としてエアロゾル感染と飛沫感染を挙げ、接触感染は起きにくいとする見解を示した。しかし、感染研は今年1月13日に公表したオミクロン株についての報告書で、「現段階でエアロゾル感染を疑う事例の頻度の明らかな増加は確認されず、従来通り感染経路は主に飛沫感染と接触感染と考えられた」と記し、WHOなどと異なる説明をしていた。
2022年の米中間選挙への立候補を表明したロン・ワトキンス氏(右)=ドキュメンタリー「Qアノンの正体/Q:INTO THE STORM」の一場面から(U-NEXTより)© 2021 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc その男性は、ゆっくりと外階段を下りてきた。昨年12月中旬、底冷えのする札幌の住宅街の一角。迷彩柄の上着姿だった。 目が合った。男性はきびすを返し、下りてきたばかりの階段を一気に駆け上がった。 名前を呼んだ。男性は振り向きもしない。自宅に入ると、インターホンに応答しなかった。 この男性は米国人のロン・ワトキンス氏。極右系陰謀論「Qアノン」の舞台となったインターネット匿名掲示板の管理人だった
ツイッター上の議論について「白か黒かに振り切れやすい」と語る作家の温又柔さん=東京都千代田区で2021年11月11日、内藤絵美撮影 「もう、限界だなと思ったんです」。作家の温又柔(おん・ゆうじゅう)さん(41)が10月、ツイッターでの積極発信をやめた。台湾で生まれて日本で育った自身のルーツに向き合う小説を書き、ツイッターでは、差別やジェンダー、格差などの社会問題について積極的に発信してきた。それなのに、なぜツイッターをやめたのか。ツイッターという言論空間について今、何を思うか。温さんに聞いた。【塩田彩/デジタル報道センター】 台湾と中国、日本を巡って応酬 <素敵なこともたくさんあったけれど、それを上回ることが、くやしいけれど、ほんとにほんとに辛かった> <TwitterJapan(ツイッタージャパン)はたぶん企業としてこの状況を恥じてない。だから見切りをつけます> 10月中旬、温さんは自身
新型コロナウイルスの流行「第5波」の収束には、流行を引き起こしたデルタ株でゲノム(全遺伝情報)の変異を修復する酵素が変化し、働きが落ちたことが影響した可能性があるとの研究結果を、国立遺伝学研究所と新潟大のチームがまとめた。 8月下旬のピーク前には、ほとんどのウイルスが酵素の変化したタイプに置き換わっていた。このウイルスではゲノム全体に変異が蓄積しており、同研究所の井ノ上逸朗教授は「修復が追いつかず死滅していったのではないか」と指摘する。 研究は10月に開かれた日本人類遺伝学会で発表した。この酵素は「nsp14」。ウイルスは増殖する際にゲノムを複製するが、時々ミスが起きて変異が生じる。変異が積み重なるとやがて増殖できなくなるが、nsp14が修復すれば防げる。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、就職氷河期世代支援の政府目標達成に黄信号がともった。政府は2019年12月、氷河期世代について「今後3年間で正社員を30万人増やす」という目標を掲げた。しかし内閣府によると、20年に正社員数はほとんど増えなかった。一方、他の世代をみると、コロナ禍でも人手不足を背景に正社員化が進み、新卒採用も堅調だ。政府がようやく重い腰を上げようとした矢先にコロナ禍に見舞われた「不遇の世代」は、結局支援から取り残されたままだ。【中川聡子/くらし医療部】 予算522億円 正規は「横ばい」 氷河期世代は、1993~04年ごろに新卒で就職活動し、現在は30代後半から40代後半になる。バブル崩壊後の不況期に企業が新卒の採用数を極端に絞り、さらに政府が派遣労働の拡大など雇用の非正規化を進めたことから、企業は人件費を削減するため非正規雇用を活用した。結果的に希望の職に就けず、非正規を
菅義偉首相は自民党役員人事と内閣改造を来週行い、9月中旬に衆院解散に踏み切る意向だ。複数の政権幹部が31日、明らかにした。自民党総裁選(9月17日告示、29日投開票)は衆院選後に先送りする。首相は衆院選の日程を10月5日公示、17日投開票とする案を検討している。 首相は来週の党役員人事で二階俊博幹事長を交代させる方針だ。首相は8月30日、首相官邸で二階氏と会談し、二階氏を交代させる意向を伝達。二階氏も「自分に遠慮なく人事をやってほしい」と応じ、交代を容認した。 首相は、人事を断行することで政権浮揚を図り、衆院選を有利に進めたい考えだ。政権内では9月14~16日に臨時国会を召集し、解散する案が浮上している。
「メンタリスト」という肩書で活動するDaiGo氏が、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」で「ホームレスの命はどうでもいい」などと、路上生活者や生活保護受給者を差別する発言をした問題を受け、専門家の間で、インターネットサービスを展開するプラットフォーム事業者の責任を問う声が出ている。DaiGo氏は13日夜に一転して謝罪したが、インフルエンサーの問題発言に事業者側はどう対処すべきかという課題は残されたままだ。【木許はるみ/デジタル報道センター】 ※記事では差別表現も取り上げています。閲覧にご注意ください。 DaiGo氏は、人の心理を見抜く「メンタリスト」を名乗って活動。「自分を操る超集中力」「人を操る禁断の文章術」「超決断力」など多数の著書があり、テレビのバラエティー番組にも出演してきた。 2013年1月には「メンタリストDaiGo」のユーチューブチャンネルを開設。生活習慣や生産性
米ニューヨーク州など37の州・特別区は7日、米IT大手グーグルが自社のスマートフォン向けアプリ配信サービスでアプリ開発業者に最大30%の販売手数料を強制しているとして、独占禁止法(反トラスト法)違反の疑いでカリフォルニア州の連邦地裁に提訴した。米当局のグーグルに対する独禁法訴訟は2020年10月以降で4件目となる。 グーグルは自社のスマホ向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」で展開するアプリ配信サービス「グーグルプレイ」で、アプリ販売や課金時にアプリ開発業者から最大30%の手数料を徴収している。アプリ開発業者はグーグルプレイを介さずにネット経由でもアプリを配信できるが、各州当局は「グーグルが自社の配信サービスを優遇した結果、アンドロイド上ではアプリの90%以上がグーグルの配信サービスを介しており、アプリ開発…
グノシー本社を示す表示板=東京都港区のアーク森ビルで2020年1月31日午前11時43分、山口朋辰撮影 スマートフォン向けニュースアプリ大手「Gunosy(グノシー)」(東京都港区、竹谷祐哉最高経営責任者)の完全子会社「digwell(ディグウェル)」が虚偽広告を制作、配信していた問題で、広告を掲載していたメディアが対応に追われている。また、広告主からも困惑の声が上がる。背景には市場規模の拡大に伴い、インターネット広告の配信経路が複雑化し、チェックが行き届かない現状があり、業界団体は不正を排除する仕組みを検討している。【山口朋辰、大村健一/統合デジタル取材センター】=調査報道グループ「フロントラインプレス」との合同取材 調査に乗り出すメディアも グノシーがネット広告を配信する、アドネットワークと呼ばれるネットワークには、通信社や新聞社、生活情報サイトなど40超のメディアが参加している(毎日
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