彼が支持を集めたのは、国民がそれまでの左派政権の経済政策に疑念を抱いていたからだ。慢性的なインフレや貧困の拡大をもたらした歴代政権に失望した人々は、政府を縮小して経済を立て直すと誓ったミレイに希望を託した。 米紙「ニューヨーク・タイムズ」によれば、前左派政権は複雑な通貨管理や消費者補助金などによってペソの公定為替レートを吊り上げ、ガス、交通、電気などの主要な物価を人為的に低く抑えていた。 そこでミレイは就任2日後、さっそく補助金を含む政府支出の削減を開始したほか、ペソを対ドルで54%切り下げた。 エコノミストらはこのような措置はアルゼンチンの長期的な財政問題を解決するために必要だと指摘するが、その一方で、インフレの加速という痛みももたらしている。 「インフレ慣れ」している国民でさえ…