夜の病院は恐ろしい。 恐ろしいと言っても、お化けだとか幽霊だとかそういった類のお話ではない。恐ろしいのはいつでも生身の人間だ。病院においてすでに死んでしまった人間(あるいはそれが化けて出たものだとしても)はそう恐ろしいものではなく、本当に恐ろしいには今まさに死のうとしている人間だ。なので『病院はお化けが出そうで怖い』というのはある意味ジョークにすら感じてしまう。生きるか死ぬか、その間でさまよっている瞬間の人間は恐ろしい。血圧が200と40の間を行ったり来たりしている。なんということ。心臓が動いていない。脈拍が30を切った。生きているから怖いのだ。なんとか命をつながなきゃ。・・そんなことを言っている私がある意味怖いのかもしれない。全然可愛らしくない。のである。 それはさておき、夜の病院に言った経験はあるだろうか?夜の病院、あるいは日中の正規の診療時間が終了したあとの病院、つまり救急外来のこと