沖縄県立博物館・美術館で美術館開館10周年を記念して、「彷徨(ほうこう)の海−旅する画家・南風原朝光と台湾、沖縄」「邂逅(かいこう)の海−交差するリアリズム」の二つの展覧会が同館で開かれている。「交流 海は島々をつなぐ、開かれた道である」をテーマに掲げた展覧会を巡った。2回に分けて紹介する。(学芸部・吉田伸) 近現代の37人179点が共演 県立美術館 2月4日まで 昨年11月に始まった「彷徨の海」展は戦前の東京を拠点に、台湾と沖縄を行き来した真和志村出身(現那覇市)の画家、南風原朝光(1904〜61)を軸に台湾と沖縄の近現代の美術を俯瞰(ふかん)した展覧会だ。計37人179点(1点は作者不明)の作品を展示している。 最初に書家2人 エレベーターで3階に上がり、階下に下りていくという同館では珍しい動線で企画された展覧会。会場に入って、最初に迎えるのは沖縄と台湾の2人の書家の作品だ。県庁の新旧