リンド夫妻がアメリカの中西部の一小都市を「ミドルタウン」と仮称して,1920年代後半と 30年代後半の2度にわたって調査し,文化人類学的手法によって都市社会をとらえた,参与的観察による研究の代表的事例。『ミドルタウン』 Middletown: a Study in Contemporary American Culture (1929) ,『変貌のミドルタウン』 Middletown in Transition: a Study in Cultural Conflicts (37) の2著がそれである。地方都市の住民を調査する際に,住民一般という形で生活と行動を調べることはあまり意味がなく,職業をビジネス・クラスとワーキング・クラスの2階級に分類しなければ,その生活と行動の違いを記述できないことをこの研究が実証したが,実際にも 29年の恐慌をはさんで,この地方都市にある地元の財閥が,その都