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加計学園の獣医学部新設をめぐり、3年前、安倍総理大臣は加計理事長と面会したのか。 即座に否定した安倍総理大臣が、根拠の1つとしたのが報道各社の「首相動静」だ。「首相動静などで調べるしかないが、それを見るかぎりお目にかかっていない」と。しかし、首相動静は本当に根拠となるのか。そもそも、総理のすべての動きを捉えたものなのか。 今回は、私たち総理番記者が「首相動静」をどのように取材し、書いているか明らかにしよう。そして、いつから、なぜ始まったのか、その起源をたどってみた。 (政治部総理番 佐久間慶介) 「首相動静」の記事をご存じだろうか。新聞社によって名前は違うが、全国紙などの片隅に毎日、小さく掲載されている。NHKでもウェブサイト上に「総理、きのう何してた?」というコーナーで日々更新している。 総理の行った場所、面会者を記録したもので、「何時何分、誰それと面会」などと記載されている。 総理の日
根深い亀裂 前回(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53379)、マーク・リラの『難破する精神』を取り上げながら、トランプ以後の社会、いわゆる「ポスト・トゥルース」の社会において、デモクラシーもただの政治システムの一つであることが明らかにされ、デモクラシーそのものの信頼が失墜したりはしないのか、という懸念が生まれつつあることを指摘した。 そのような懸念が必ずしもありえないことではない、という見通しを、トランプ大統領の誕生を後押ししたといわれる〈ホワイト・ワーキング・クラス〉の実態に即して丁寧に記したのが、今回取り上げるジョーン・C・ウィリアムズの『アメリカを動かす「ホワイト・ワーキング・クラス」という人々』である。 ウィリアムズによれば、端的に、エリートが守りたいと思うものが「アメリカの信条」であるとしたら、ホワイト・ワーキング・クラスが守りたいと願う
安倍首相・内閣の言動がはちゃめちゃだとするなら、「どんな風にはちゃめちゃなのか」というより「どうしてはちゃめちゃが成立するのか」の方に興味があるし、「首相は愚かだ」と嘆くよりは「愚かな事態をシステムはどのように許したのか」を知りたい。 今の時点でどう見えているか記録を残しておけば、10年後くらいに読み返して面白いかもしれないと思って。 はちゃめちゃが成立する構造 はちゃめちゃが安定して存在するには、「はちゃめちゃを許容する構造」と「はちゃめちゃを用意する構造」の両方が必要になる。 おふとん(=眠気を許容する構造)と眠い人(=眠気を用意する構造)の両方がそろって安定した睡眠が成立するみたいな感じ。おふとんだけあっても全く眠くなければ睡眠は発生しないし、眠い人がいてもおふとんが無ければぐっすり眠れず目が覚めてしまう。 それから眠くなかったのにおふとんに入ったら眠くなってしまうといった、「許容す
12月6日付の朝刊各紙は1面トップで安倍晋三首相の「真珠湾訪問」を大々的に報じていた。見た瞬間、私は胸がえぐられるような思いに駆られた。このカードをここで切ってくるのか。安倍さんという人は自らの政権維持や選挙のためなら何でもやる人なんだ、と。 領土問題が動かないだが、それ以上に違和感があるのは、この日を機に始まった新聞・テレビの「礼賛一色」の報道だ。日本の首相が初めて日米開戦の地で犠牲者を慰霊するのだから、極めて重要なニュースであるのは間違いない。安倍首相が自ら語っているように「日米和解の価値を発信する機会にしたい」という意味もわかる。 だが、報道が伝えるべきはそうした表面的なことだけではないだろう。読者が本当に知りたいのは、いま起きていることの事実関係だけではなく、なぜそれが起きたかという“文脈”(コンテキスト)や背後関係だ。ところが、最近の新聞・テレビの報道では、そうした分析がほとんど
日本国憲法の成立過程で、戦争の放棄をうたった九条は、幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)首相(当時、以下同じ)が連合国軍総司令部(GHQ)側に提案したという学説を補強する新たな史料を堀尾輝久・東大名誉教授が見つけた。史料が事実なら、一部の改憲勢力が主張する「今の憲法は戦勝国の押しつけ」との根拠は弱まる。今秋から各党による憲法論議が始まった場合、制定過程が議論される可能性がある。 (安藤美由紀、北條香子) 九条は、一九四六年一月二十四日に幣原首相とマッカーサーGHQ最高司令官が会談した結果生まれたとされるが、どちらが提案したかは両説がある。マッカーサーは米上院などで幣原首相の発案と証言しているが、「信用できない」とする識者もいる。 堀尾氏は五七年に岸内閣の下で議論が始まった憲法調査会の高柳賢三会長が、憲法の成立過程を調査するため五八年に渡米し、マッカーサーと書簡を交わした事実に着目。高柳は
公文書の改竄(かいざん)、捏造(ねつぞう)を行ってきた現政権。かつて、日本軍の最高司令部「大本営」も、太平洋戦争下に嘘と誇張で塗り固めた公式発表を繰り返してきました。当時の軍部は現在に置き換えると政権。政治の中心でなぜ、情報の改竄、捏造、隠蔽が起きるのか? そしてそれがどういった結末を迎えるのか? 2016年に発売された辻田真佐憲さんの『大本営発表~改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争~』は、正確な情報公開を軽視する政治の悲劇、悲惨さを教えてくれます。今こそ読むべき一冊。あらためて「はじめに」をご紹介します。 大本営発表の悲劇を繰り返さないために 大本営発表は、日本メディア史の最暗部である。太平洋戦争の時代、大本営がデタラメな発表を行い、メディアがそれを無批判に垂れ流し、国民がそれに踊らされた。今日でも大本営発表は、「あてにならない当局の発表」の比喩として頻繁に用いられている。 とはいえ、「大本営
太平洋戦争の終結を知らないまま、30年近くフィリピンのジャングルに潜伏を続けた旧日本陸軍の元少尉、小野田寛郎さん。1974年、小野田さんが日本に帰国したときは、日本中が沸き立ちました。 小野田さんの帰国を巡って、日本とフィリピン政府との間で極秘の交渉が行われていたことが、外交文書から新たに分かりました。さらに、この交渉を経てフィリピン側に支払われた3億円の資金を巡って知られざる事実が浮かび上がってきました。(国際放送局 照井隆文記者、広島放送局 関根尚哉記者) 残留日本兵 小野田寛郎さん 7月23日、日本とフィリピンは、国交正常化から60年を迎えました。太平洋戦争末期、最も過酷な戦場の1つとなったフィリピン。日本人50万人余りが死亡、100万人を超すフィリピン人が犠牲になったと言われています。 当時22歳だった小野田寛郎少尉は戦争が終わったことを信じず、3人の仲間とともに、フィリピンのジ
天皇陛下が、天皇の位を生前に皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を宮内庁の関係者に示されていることが分かりました。数年内の譲位を望まれているということで、天皇陛下自身が広く内外にお気持ちを表わす方向で調整が進められています。
およそ半分の人が選挙に行かない ネットを見ると、色々な政党のバナー広告が表示される。テレビをつければ、政治家がつばを飛ばして自分の主張を叫んでいる。彼らの巧言令色を、どれほど信じていいのだろう? 口先ではオイシイことを言っているけど、あいつら、私たちを騙そうとしているだけじゃないの? どの政治家を信じればいいかわからない、投票したい政治家がいない——。 決して少なくない人が、そう感じている。投票率を見れば明らかだ。参議院選挙の投票率は1980年の74.5%をピークに下がり続け、前回の2013年には52.6%まで落ちた。衆議院選挙ではより減少幅が大きく、ピークの1958年には76.9%だったものが直前の2014年にはやはり52.6%に下落。誰が国会の席に座ろうと、私たちの暮らしはどうせ変わらない。そんな日本人の失望が如実に反映されている。 こう書くと、特定の政党を熱心に応援する人からはお叱り
【人名】Pierre-Joseph Proudhon〔フランスの相互主義者(mutualist)で、自らを無政府主義者と呼んだ最初の人間(1809~1865年)。1840年の著書"What is Property?"で、「財産とは窃盗である(Property is theft!)」という発禁処分のきっかけになる有名な言葉を残した。〕
In a historic visit to Hiroshima, US President Barack Obama has expressed his determination to achieve a world without nuclear weapons. Obama became the first sitting US president to go to the city devastated in 1945 by an atomic bomb dropped by American forces. The president visited the Peace Memorial Park and laid flowers at a cenotaph dedicated to the victims, before delivering remarks that cal
President Obama spoke after a wreath-laying ceremony with Prime Minister Shinzo Abe of Japan at the Hiroshima Peace Memorial on Friday.Credit...Doug Mills/The New York Times The following is a transcript of President Obama’s speech in Hiroshima, Japan, as recorded by The New York Times. Seventy-one years ago, on a bright cloudless morning, death fell from the sky and the world was changed. A flash
アメリカのオバマ大統領は27日午後、現職の大統領として初めて被爆地・広島を訪問しました。被爆者の人たちを前に述べた所感の全文です。 そして、人類が自分自身を破壊する手段を手に入れたことを示したのです。 なぜ、私たちはこの場所、広島を訪れるのでしょうか? 私たちは、それほど遠くはない過去に、恐ろしいほどの力が解き放たれたことを深く考えるためにここにやってきました。 この場所に来て10万人を超える日本の男性、女性、そして子どもたち、数千人の朝鮮半島出身者、数十人のアメリカ人などの犠牲者の死を悼みます。 犠牲になった人たちの魂が、私たちに語りかけています。 もっと内側を見て、私たちはいったい何者かを振り返り、今後、どのようになろうとしていくべきか、私たちに語りかけています。 戦争は広島だけが特別なのではなく、暴力的な紛争は古くから行われています。われわれの祖先は火打ち石で刃を、木片からやりを作る
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