開発トラブルを未然に防ぐ最も効果的な対策は、適切な人材を、適切な役職に就けることだ。業務システムの要件定義では、業務知識や業務管理知識を持つ人材の登用がカギを握る。現場からのアラートを受け付ける組織を設け、人格面で優れた人材を当てる工夫も必要だ。優れたプロジェクトチームを作ることが、トラブル防止のなによりの処方箋になる。 心血を注いだ開発プロジェクトが遅延し、赤字になり、裁判沙汰になったのでは担当者は立つ瀬がない。連載の最終回ではトラブルを防ぐノウハウを、プロジェクトの人選を中心に紹介しよう。 業務管理知識を持つ人材を探す 第1回でも言及したが、システム開発トラブルで最も起こりがちなのは、業務知識と業務管理知識の重要性をユーザー企業とITベンダーがともに認識していない場合だ。 ITベンダーの選定プロセスには、「要求書に書いてある言葉の奥深さを知らないITベンダーの見積もり額が最も安くなる」