日経コンピュータは2019年秋に創刊1000号を迎える。1000号に向け、創刊の1981年以降に起こったIT関連の出来事を1年ずつ振り返る。歴史から教訓を改めて学び、未来に生かすのが目的だ。第34回は2013年(平成25年)。企業におけるビッグデータ活用が盛り上がる一方で、個人情報を含むデータの扱いで論争が起こり、光と影の両面が浮き彫りになった。
オムロンが不審行動を割り出すセンサー技術の開発目的で撮影していたのは、不特定多数の人が集まる東京や大阪などの駅や商業施設を中心に計13カ所に上っていた。撮影された人は実験目的を知らされないまま映像を利用され、データベース化されていた。 オムロンが乗降客や買い物客らの映像を撮影していたのは、JR東日本や北大阪急行などの鉄道9駅をはじめ、東京大キャンパス、商業施設、書店、広告会社の展示会場。2007~10年度に延べ10カ月間以上も撮影していた。 オムロンによると、「撮影中」などと告知していたというが、情報通信研究機構(NICT)やオムロンの研究とは知らせていなかった。JR東の4駅でも、カメラに「旅客流動計測中」と記したシールを貼っただけだった。 オムロンは取材に対し、JR東の4駅以外については「映像を使用する承諾を得た」としているが、「技術開発のために映像を使う」などとだけ告げていたケースが大
JR東日本は7月25日、社外提供するSuica利用データの取り扱いについて公表した。日立製作所が同データを利用して行う解析サービスについて、プライバシー面の不安や「事前の説明・同意が不足しているのでは」といった批判の声が上がっていたのを受けたもので、JR東日本は「大変なご心配をおかけした」と謝罪。希望者はデータ提供から除外できるようにする。 JR東日本によると、日立に提供するのは「Suicaでの乗降駅、利用日時、鉄道利用額、生年月、性別およびSuicaID番号を他の形式に変換した識別番号」からなるSuica利用データ。 SuicaID番号はSuicaに割り振られたユニークな番号で、Suica裏面の「JE」から始まる文字列。同社によると、提供データからは元のSuicaID番号に復元できないようにしており、利用者の氏名や連絡先とひも付けることができまないという。また特定のSuicaのデータを長
杉山淳一(すぎやま・じゅんいち) 1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP、誠Styleで「杉山淳一の +R Style」を連載している。 JR東日本が日立製作所へSuicaの乗降履歴データを販売す――。この件に反発した利用者から、データ削除要望が8823件も寄せられて
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