あなたの職場の「できる人」を思い浮かべてください――。実は、彼らは皆"よいウソ"をつく力に長けた、ウソの達人なのです。よいウソをつくことができるからこそ成功したとも言えます。 こう語るのは、目白大学名誉教授として心理学を教えてきた渋谷昌三氏。渋谷氏が分類した"できる人がつくウソ"の秘密に迫ります。 ※本稿は、渋谷昌三著『この人の言っていることは本当か?』(PHP研究所)より、内容を一部を抜粋・編集したものです。 人間関係を潤滑にする「方便」としてのウソまずは、いわゆる「方便」としてのウソのことです。かつて私が行った調査では、次のような事例がありました。 ・「子どもを持つ入院患者さんと話をするために、『自分にも子どもがいる』とウソをつき、親しくなれた」という看護師さん。 ・「上司から書類の作り直しを命じられたが、事情があり、『得意先が直した』とウソをついて自分で直してしまった。書類は問題なく