後継者難による企業の廃業が、日本経済の大きな問題となっている。その多くが、中小企業かつファミリー企業だ。そんな中、リゾートホテルを全国展開する星野リゾート(長野県軽井沢町)の代表星野佳路(63)は、30年以上前、身内の創業家一族からいったん追放されながらも会社を承継した。日本経済が直面する「事業承継」を乗り越え、リゾート起業として成功した星野氏に、当時の経緯や舞台裏を聞いた。 【動画】半年で会社を辞めさせられた?星野リゾート代表が振り返る 日本企業の99%以上は中小企業で、その大半はファミリービジネス(同族企業)だ。 創業者の子、孫、ひ孫……と、次の世代にバトンを渡すのが自然な流れ。 先代から事業を引き継いだ経営者の多くは「子どものころから、自分が後継者になる」という意識がある。 星野氏も同様だったという。 「軽井沢というこぢんまりした街で生まれ育ったこともあり、星野温泉(現:星野リゾート