裕福なワイン通がロマネ・コンティの最新ヴィンテージ1本に2万8000ドル(約415万円)を費やしたり、ナパ・バレーのスクリーミング・イーグルを1本3700ドル(約55万円)で買ったりしている一方で、一般のワイン愛好家はこの50年間に例のないほど数も種類も豊富なワインを手頃な価格で入手できるようになった。 それは主に、世界に驚くほど大量のワインが過剰供給されているためだ。オーストラリア産ワインだけでも木箱2億5600万個、すなわち2年分以上の在庫を抱えている。欧州連合(EU)は今年6月、フランスにワイン約8000万ガロン(約3.6億リットル)の廃棄費用として約1億7200万ドル(約255億円)を拠出した。廃棄されたワインは蒸留して純アルコールを取り出し、香水や洗浄剤に活用される。 以前から廃棄ワインは大量に存在し、多くの醸造所が助成金獲得の手段としてきた。しかし今、問題は世界各地の大手ワイン