Webのシステムを作る仕事に転職して、一番困ったことが、この本には書いてあった。 前職と比べ明らかに変わったことがあった。顧客と業者である自分との関係である。 前職は生産設備のエンジニアだったのでアウトプットに対する要求はシンプルで、うまく生産できること、求められる工程能力を出すこと。生産という観点では完全にお客さんがプロで、こちらが素人という関係である。社内システムであることも起因しているだろう。 それに対してWebシステムでは、業者がプロで、お客さんは自分を完全に素人とみなすことが多い。彼らは「わからない」ので、業者に依存してしまう傾向にある。このような状態を本書では「責任過少」の状態と呼ぶ。 このような状態で、確実な要件を聞き出して、彼らのビジネスモデルを十分に生かすシステムを作るのは至難の業だ。「責任過少」の罠は、本人が本来の能力を発揮できなくなるところにある。うまく関係を持たずに