早稲田大学ビジネススクールの教授陣がおくる人気連載「早稲田大学ビジネススクール経営講座」。5人目にご登場頂くのは、金融仲介論と企業金融がご専門の樋原伸彦准教授だ。いま日本でも注目を集めているコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)について考える。 日本企業も実感するCVCの重要性 楽天、フジテレビ、TBSが同じ種類の子会社を作っている。これらの企業が、いまほぼ同時に同じ方向に舵を切り始めたのは決して偶然ではない。これらの子会社は、いわゆるコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)と言われるものである。2006年のライブドア・ショック当時から言われていたテレビとネットの融合にとどまらず、これら日本のメディア企業、 IT企業も、今更ながら自社だけでビジネスを大きく展開することの困難さに気づきつつあるのだ。周回遅れながら、日本企業もようやくCVCの必要性を痛切に感じ始めている。 写真を