ファミコンのカートリッジに見る,草創期ならではの活気と混沌。ゲームソフトのメディアの形が,パブリッシャごとに違う時代があった ライター:箭本進一 カメラマン:佐々木秀二 任天堂のファミリーコンピュータ(以下,ファミコン)が本日(2023年7月15日),発売40周年を迎えた。 数々の人気シリーズを生んだことはもちろんだが,現在にまで続く本格的な家庭用ゲーム市場というものを根付かせた点においても,ゲーム史上に残る名機と言っていいだろう。 それだけに逸話も多く,とくにサードパーティ絡みのビジネスにおいて,任天堂が試行錯誤したことはよく知られる。同社はそもそも他社の参入を想定していなかったようなので,そこからライセンスをはじめとする仕組みを作り上げたり,低品質なソフトの流通を防ぐチェック機構を設けたりするのには,相当な苦労があったようだ。 そんな当時の状況がうかがえるものの1つに,ゲームソフトの提