楽しいはずの学校の給食の時間に苦しんでいる子どもたちがいます。先生から「残さず食べなさい」と言われ、無理に食べさせられたり、給食の時間が終わっているのにひとりポツンと教室に居残りをさせられたり…。こうしたいわば“完食指導”の行き過ぎで、体調不良や不登校になるケースが相次ぎ、中には、大人になっても苦しみが続く人がいることを知っていますか。(徳島放送局記者 岩本悦子)
「町田市の中学生に、小学校と同様のクオリティーの全員給食を」――町田市の中学校給食に関する請願審議が12月12日、町田市議会の文教社会委員会で審議されました。請願署名は2万3168筆に上り、請願者・議員らによる意見陳述・質疑応答は4時間に及びましたが、8人中6人が反対し「不採択とすべきもの」となりました。 2万3000筆以上を集めた署名活動 平均喫食率13%の町田市中学校給食 町田市の中学校給食は、2005年に「弁当持参」「(デリバリー)給食」を選択できる弁当併用外注方式によって開始。当初の喫食率(利用率)は40%以上でしたが、2017年度の平均喫食率は約13.2%(クラスで1~2人)と、非常に低い結果に。ほとんどの生徒は、自宅から弁当を持ってくるか、パンなどの「買い弁」をしている状態です。 東京都内で全員給食がない(実施予定もない)のは、町田市のほかは国分寺市、東村山市、東久留米市。ただ
岐阜市教育委員会は26日、市立小学校の50代の女性教諭が、給食を完食するよう児童に指導した結果、今年7月までに計5人が嘔吐(おうと)したと発表した。市教委は「配慮にかけた指導だった」として25日付で、女性教諭に対し口頭で厳重注意処分を出した。 市教委によると、昨年度に1年生の学級担任だった女性教諭は、児童の偏食をなくすために給食を残さず食べるよう指導。昨年4~12月に児童4人が計8回もどした。また、2年生の学級担任補助だった今年7月にも、体調不良の児童に給食を食べるよう指導し、児童が吐いたという。 保護者は学校に児童の体調不良を連絡していたが、女性教諭には伝わっていなかったという。 今月8日に匿名の情報を受けた市教委が学校に調査を指示し、発覚した。女性教諭は「子どもに負担をかけてしまい反省している」と話しているという。市教委は「楽しく食べ物に感謝して食べる食育指導を職員に徹底する」としてい
神奈川県大磯町が昨年、町立中学校で導入した給食事業を巡り、多い時でご飯やおかずの半分以上が食べ残される異常事態が続いていることが町への取材でわかった。 生徒からは「味や見た目が悪い」という“致命的な欠陥”を指摘する声が相次いでおり、危機感を抱いた町は生徒や保護者らを対象とした緊急のアンケートを実施。献立などの見直しを急ぐ考えだ。 ■保護者に衝撃 今年7月、町立国府中を訪れたPTA関係者の間に衝撃が広がった。給食を終えた2年生の1クラス31人の中で、おかずを完食したのはわずか1人。ほとんど手をつけなかった生徒もいた。保護者からは「こんなに食べられていないなら、やめた方がいい」という声が上がったほどだったという。 国府、大磯の町立2中学で給食が始まったのは昨年1月。町は綾瀬市の業者に調理と配送を委託するデリバリー方式を採用し、食材の発注と献立作りは町職員の栄養士が行っている。2校の生徒は計約7
ジャガイモの皮や芽に含まれる有毒成分による食中毒の9割が学校で起きていることが国立医薬品食品衛生研究所の調査でわかった。学校の菜園で十分な大きさまで育てずに食べたのが主な原因という。専門家は「正しい栽培法の周知が必要」と指摘する。 ジャガイモの芽には、ソラニンなどの有毒成分があり、腹痛や吐き気をもたらす。生育不足や栽培中に日光が当たると皮も有毒になる。このため芽を間引いてイモの数を抑えて成長を促す「芽かき」や、日光に当たらないよう茎の周りに土を盛る「土寄せ」が必要になる。 研究所の登田(とだ)美桜(みおう)主任研究官(食品衛生学)らが、国や自治体の公表資料を基に、1989年から2015年のジャガイモ食中毒を分析。98年以降、02年と08年を除く毎年発生し、計30件で718人が食中毒になっていた。ほとんどが小学校で、幼稚園や中学校なども一部あった。重症例はなかった。 9割にあたる27件が学校
松山市の桑原学校給食共同調理場(畑寺町)で18日調理されたポークビーンズ約4500食が「食物アレルギーの原因となるソバの実が混入した可能性を排除できない」として廃棄され、道後小など7小中学校の児童・生徒は主菜抜きの給食となった。市教委保健体育課によると、異物混入の可能性により給食の一部を提供しなかったのは初めてという。 同課によると、18日午前、久枝学校給食共同調理場(西長戸町)の調理員が、市内の業者から仕入れた大豆約50キロの中にソバの実8粒が混入しているのを見つけた。桑原調理場でも大豆約85キロを同じ業者から仕入れており、既にポークビーンズを調理中だった。事前確認では見つかっていなかったが、混入の可能性を完全には否定しきれなかったため、トラブル防止の観点から提供を止めた。7小中のこの日の給食は、パンと牛乳、…
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◇橋下徹市長の肝煎り政策 不満噴出 大阪市で昨年4月から、市立中1年生を対象に仕出し弁当を配る方式での給食が始まった。全国最低だった大阪府内の公立中給食実施率を改善しようと、橋下徹市長が府知事時代から掲げていた肝煎り政策。しかし「おかずが冷たい」などと生徒から不満が上がっており、7割以上の生徒が食べ残している。2016年度から全学年を対象とするが、保護者からは家庭弁当との選択制に戻すべきだとの声も上がる。一方、食べ残しを出さないために「ふりかけ」を持参させるというアイデアを巡り、教育行政のあり方まで議論になっている。 大阪市は元々、家庭弁当が基本だったが、試行を経て13年度は給食(仕出し弁当)との選択制に。昨年、「栄養管理やカロリーコントロールがされた適切な昼食の提供は、一つの教育だ」との橋下市長の方針で、全員給食が導入された。 ◇おかず冷蔵保存 財政面から校内に調理室を設けること
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