企業に属さない。自らのスキルを武器に、しなやかにキャリアを切り開く——。そんなフリーランスの働き方が、かつてないほどに注目を集めている。 個人の価値観の変化だけでなく、大手企業での副業解禁の動きなども追い風に。だが、不安定な収入や仕事獲得の難しさなど、その選択には困難もつきまとう。 フリーランスは、本当に個人を自由にするのか。特有のリスクに「会社か、個人か」の二者択一を超えた仕組みで対応しようとする動きも生まれている。 「最高の働き方」が一変 「20代後半でフリーランスになったころは、最高の働き方だと思っていた」——。 都内のフリーライターの女性(39)は振り返る。元々は大手メディアで社員編集者・記者として勤めていた。経験豊富で、人脈も持っていたことから、独立しても仕事の依頼は途絶えなかった。 「フリーで服飾の仕事をしていた母の影響で、独立に関して世間で言われるほどの不安はなかった。実際や