メールサーバーとクライアントとのやりとりに利用されるプロトコルとしてはPOPとIMAPの2種類が広く利用されています。しかし、POPは主な仕様が2000年前後に策定されたままで、同期などの現代的な需要を満たすのが難しく、またIMAPは実装が特殊で新たな開発者にとって扱いづらいという問題がありました。そうした問題を解決するために策定されたのが「JMAP(JSON Meta Application Protocol)」です。JMAPのコアとなる仕様やメール用JMAPの仕様は2019年に策定が完了しており、すでにJMAPに対応済みのクライアントも登場しています。 JSON Meta Application Protocol Specification (JMAP) https://jmap.io/ JMAPは1999年からメールサービスを提供してきたFastmailのチーム主体で進められているプ
開発視点から見る、新しい分散型SNS「Bluesky」とAT Protocolの可能性 2023年4月初旬、日本で盛り上がりの兆しを見せ始めた分散型SNS「Bluesky」。本記事では、Blueskyのクライアント開発を行う筆者が、開発視点から見たBluesky、そのコア技術であるAT Protocolについて解説します。 なお、Bluesky誕生の背景や基本機能などについては、syui氏の記事「ネクストブレイク分散型SNSの大本命、Blueskyを先取り!」を併せてご覧ください。 Bluesky をコマンドラインから扱う Blueskyクライアント開発のきっかけ Blueskyにはすでにクライアントが存在します。BlueskyのオフィシャルからはiOSアプリが、また Android向けにはkamakuraさんが開発している青雲というアプリが提供されています。 通常はこれらのクライ
HTTP/3の基盤となる「QUICプロトコル」の標準化プロセスが完了、IETFの「RFC 9000」として 現在標準化が進められている新たなHTTPである「HTTP/3」のトランスポート層プロトコルとなる予定の新しい通信プロトコル「QUIC」が、インターネットで用いられる通信プロトコルなどの標準化を行う団体のIETF(Internete Engineering Task Force)により「RFC 9000」として策定を完了、新たなインターネット標準になったことが明らかになりました。 QUIC is now RFC 9000 | Fastly QUIC is RFC 9000 | daniel.haxx.se QUICはもともとHTTPをより高速化するためにGoogleが開発し、その後IETFで標準化が進められてきました。 QUICはまずは次世代のHTTPであるHTTP/3のトランスポート
HTTP/3はどうやってWebを加速するか? TCP、TLS、HTTP/2の問題とHTTP/3での解決策~Fastly奥氏が解説(前編) Webの世界では新しいHTTPの標準として「HTTP/3」の策定が進み、現在最終段階にあります。このHTTP/3はこれまでのHTTPをどのように改善し、高速化を実現していくのでしょうか。 2020年11月25日と26日にオンラインで開催されたFastly Japan主催のイベント「Yamagoya Traverse 2020」のセッション「Webを加速するHTTP/3」で、同社の奥一穂氏がHTTP/3の解説を行っています。 奥氏はHTTP/3に対応したHTTPサーバ「H2O」の開発を行うだけでなく、IETFでHTTP/3の標準策定にも関わるなど、日本においてもっともHTTP/3に詳しい人の一人であるといえます。 本記事では奥氏のセッションをダイジェストで
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