ニッポンの未来 弁当の無料配布に行列ができる一方で、1部屋25億円というタワマンが人気を博する―――。 バブル崩壊から30年。国民の貧富の格差は広がり、国際競争力は過去最低となった。 この30年で私たちが失ったものは何か、脱出するには何が必要なのか。
作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。2015年も様々なことが起きたが、北原氏が振り返る。 * * * あけましておめでとうございます! と、スッキリおめでとーっ! と言いたい気分だけど、2015年が、あまりにも重かったせいか、新年に警戒心をどうしても持ってしまいます。 2015年はほんと、政治に苦しめられた年だった。 国に向かってあげる声が、届かない。智を積み重ねた論理ではなく、横暴な力の論理で物事が強引に進められていく。憲法を守らない政権が、安保法を可決させる。被災地のニュースは激減していくのに、汚染された土が詰まった黒い袋は増え続けている。原発事故は終わっていないのに、さらに原発を再稼働させる。1兆8千億円の運営費がかかるというオリンピックに、税金を支払う気力が心から失せる。辺野古を守ろうと人生をかけて闘う人の前で、サンゴ礁が壊されていく。「基地をつくる
作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。北原氏はエロ漬け状態の社会に心を痛める。 * * * 先日、男性向けアダルトグッズショップの社員と話していた時のこと。どんなお客さんが多いですか?みたいなことを私が聞くと、「お金を使ってくれるのは、AV見過ぎな中年男性ですね~」と、マネージャーという30代の男性がつまらなそうに教えてくれた。 日本の家庭にビデオデッキが行き渡り、男たちが家庭でAVを見はじめたのは、1980年代初頭。80年代に中学・高校時代を共学で過ごした女子は、体験したことがあるんじゃないだろうか。教室で、男の子たちが大声で「自分たちの知らないアイドル」の名前を話してガハハと楽しそうにしている様、内容を察しつつ「聞こえないふり」をする女子たちの強ばった背中……。私の世代の男たち(現在40代)は、子どもの頃から日本のAVを見てきた初めての世代だ。 業
「佐川男子」という言葉が定着して久しい。クロネコの穏やかさ、優しさ、誠実さとは対極にある(ように見える)、飛脚の世界。青と白のストライプのシャツで走り回り、男の汗臭さをぷんぷんさせ、過酷な労働環境にも耐え抜く精神力と強靭な肉体を兼ね備えた男たちに「エロい!」と最初に声をあげたのは、私です。と、言い切ります。 通販業務を営んでいる私にとって、20代の頃から最も多く関わってきた男と言えば、佐川急便、ヤマト運輸、郵便局、ペリカン便……と物を運ぶ男たちです。そして20年前から、佐川急便の男たちが最も肉体的に優れていた。どこよりも阿漕(あこぎ)に値段交渉をし、しかも時間指定をお願いすれば「金を払えば時間は守る」と言い放つ強い佐川(法人向け荷物に限り時間指定に追加料金を求めるのは佐川だけ)。日本男子から失われて久しいハングリーさは、佐川急便にしかもう残されていないのだ……と私は確信したものでした。 が
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