オーウェン・ジョーンズ著 『チャヴ 弱者を敵視する社会』 ジョーンズはある日、不安にかられる体験をした。ロンドンの高級住宅地にある友人宅での夕食会でのこと、招待主が大手スーパーマケットの閉店に触れ、「チャヴたちは、いったいどこでクリスマスプレゼントを買うんだろう」というジョークを飛ばしたのだ。 発言主を含め、そこにいたのは「教養があり、心が広く、知的な専門職について」おり、「人種もさまざま、性別も男女半々、同性愛者もいた」。全員が政治的には中道左派であり、もしそこで人種差別や同性愛差別発言をしようものなら「すみやかに部屋から追い出されていただろう」。でも、「チャヴ」を馬鹿にした「ジョークに不快感を示した人はいなかった。それどころか、みな笑ったのだ」。 「チャヴ」という語は「ロマ族のことばで「子供」を指す「チャヴィ」から来ている」が、そのことを知る人は少ないようだ。しかしチャヴに対するイ