Close Up 激動する世界経済の流れに、日本も無縁ではいられない。政治・経済、企業・産業、社会の注目テーマをクローズアップし、独自の視点、切り口で「詳説」する。 バックナンバー一覧 2013年は、ドル円相場の転換点となりそうだ。歴史的な円高局面は、終焉する可能性が高い。要因は、米国の景気回復と日本の国際収支悪化。前者は日本経済にとって明るい材料だが、後者は喜べない。また、円安は輸入物価の上昇という負の面も持つ。少なくとも、円高が終われば万事解決、ではない。 10月に東京で開催された、国際通貨基金・世界銀行年次総会(IMF・世銀総会)が、為替相場に意外な影響を与えている。 同総会には、ヘッジファンドなどの海外投資家も多数出席していた。「総会出席を機に、貿易赤字の構造化など、日本のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)への理解が急速に広がり、円売りを仕掛けやすくなっている」(池田雄之輔・野