「僕のゴールは五輪でも五輪のメダルでもありません。カーリングをメジャーにすることです」 SC軽井沢クラブの山口剛史は公言する。いい成績を残した時は笑顔で、逆にうまく勝てないシーズンは悔しさを噛み殺してそう繰り返してきた。 山口は北海道空知郡南富良野町の出身だ。現在は廃校になってしまった町立落合小学校の同級生は山口を含めて4人。その同級生にはトリノ五輪代表の寺田桜子、トリノとバンクーバー、2度の五輪に出場した目黒萌絵がいた。 「あんま変わらないですね、昔から」と寺田も目黒も山口を評するが、本人は苦笑いしつつも「カーリング始めて、けっこう変わったと思うんですけどね」と首をかしげる。 「昔は取材も、知らない人と話すのも苦手だったんですよ」 SNSを駆使し、ブログも頻繁に更新し、SC軽井沢クラブの広報部長的役割を担う現在からは想像がつかないが、どこに分岐点があったかといえば、やはり世界で結果が出始