近年、世界的に主観的幸福度への関心が高まっており、日本でも幸福度の研究が行われるようになってきた。前回は、筆者の過去の研究を基に、幸福度の2割が建物や地域という住まいによって構成されていることを紹介した。今回は、幸福度をもたらす建物や地域への満足度とはどのような構造になっているのか、そもそも幸せとはどのような構造で生み出されているのかを考えたい。 筆者の2018年の論文「住まいが主観的幸福度に与える影響」では、首都圏の1都3県に在住する1万2608人から回答を得たアンケートデータを基に、幸福度の14.7%が地域、8.1%が建物の要素で構成されていることを紹介した。2つを合わせると、実に2割強が住まいに関連している。 前々回の記事では、満足度が高い地域について考察した。密なコミュニティーではなく、住宅供給が一定規模で行われていて、新たな住民が一定規模で流入してきて、それを旧来の住民が受け入れ
![「幸せの構造」は昭和の頃からあまり変わっていない](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b95579e061f74eebe4d93d8dfd0aa5c28e8e7c14/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkei.com%2Fatcl%2Fgen%2F19%2F00247%2F062800013%2Ffb.jpg)