謎の「ヤギの糞のスープ」こと「ヤンビー」の作り方を見に行った話の続き。 翌日の午後、その店にベーレイの調理を見に行った。いまだに「糞」が何を指すのか不明だったが、店主である秋(チウ)さんによれば「胃の中のもの」だという。 厨房のポリバケツに入ったそれは、黒っぽい緑色をしていて、本当に草食動物が消化している最中の草という感じ。ということは……羊の糞ではなくゲロだったのか! バケツの中に手をつっこんですくうと、草の繊維がひっかかって浮かび上がる。このどろどろした液体を丁寧に手でぎゅうぎゅう絞りながら、ザルで濾過する。秋さんは青臭い匂いがうっすら薫る濾過された液体をそのまま中華鍋にあけると、強火でガンガン熱した。驚いたことに、この黒緑の液体には一滴も水を加えない。ただ、ごく少量のラオカオ(焼酎)を入れただけだ。 濾過した胃液汁を鍋へあける 十分煮えると、火を止め、液を別の鍋に移したが、このとき何