父に初めて野球場に連れていってもらったのは、小学校1年生の時だ。 まだ屋根がついてドームになる前の西武球場だった。 確か西武対近鉄戦で、誰が出ていたとか、どんな試合だったかなどまるで覚えていない。 覚えているのは父が売り子のおねえさんから買ってくれた紙コップ入りのコーラに氷が入っていて冷たくておいしかったことと、試合中に突然打ち上がる花火の音が恐くて「早く帰ろうよ」と父の袖を引っ張ったことだけだ。 父は幼い私をよく球場に連れていった。 西武球場が多かったが、神宮球場や後楽園球場の時もあった。 「野球」というスポーツのルールや、「何をするといいのか」「勝つのか、負けるのか」がわかるまでには時間がかかったが、小学校3、4年生ごろにはなんとなくわかるようになってきた。 プロ野球を見れば見るほど、気になることが増えた。 そうすると「野球にはいくつもチームがある」というところから「西武球場は西武ライ