■政局に勝つ政策を 何とも不思議な光景が出現している。世間では、誰もかれもが経済の悪化を懸念している。現実に日本経済は、昨年の秋以降目に見えて勢いが低下してきた。そしてその背景として、改革のモメンタム(勢い)低下を多くの人々が指摘している。政府の改革姿勢が低下しているからこそ、世界の投資家は日本を見放し、ロンドン・エコノミストなどにも極端な日本批判が出されるようになった。 不思議なのは、こうした状況があるにもかかわらず、政府内で一向にまともな経済論議がなされていないことだ。政策を行おうとしてもねじれ国会でなかなか進まない、政策より政局が優先される、といった嘆き節が聞こえてきそうだが、それらはあくまで言い訳だ。しっかりとした経済政策論議がないからこそ政治が混乱し、これが政局論議をあおっている。 最大の課題は、各種の改革を積極的に展開して経済を成長させること、ないしはそうした「期待」を生み出す