今年、画業20周年を迎えた漫画家の施川ユウキ。鋭利な言語感覚と発想力が光るギャグ漫画から、愛や友情をまっすぐに描いたストーリー漫画まで、無数の才能がひしめく漫画界の中でもひときわ異彩を放つ作品たちを世に送り出してきた。9月10日に刊行された『ハナコ@ラバトリー 新装版』では、初の小説にも挑戦。多くの漫画好きを唸らせるユニークな作風はどのように生まれ、“心に深く刺さるもの”へと進化を遂げていったのか。インタビューを通じて、デビューから現在に至るまでの20年間を振り返る。 ――画業20周年おめでとうございます。せっかくの機会ですので、デビュー前に作品を投稿していたころのお話から伺えますか? まず愛読していた『週刊少年ジャンプ』に投稿したんですが、これは全然ダメでした。次いで落選しても寸評を添えてくれるという『週刊少年サンデー』にも送ってみたんですけど、いざ原稿が返ってきたらなにも書いてなくて「