<sui-setsu> 稲田朋美元防衛相(62)の周辺が騒がしくなっている。 国粋主義に傾く論者や記者が、右派の新聞・雑誌で何度も稲田批判を繰り広げる。そのコピーが後援会の幹部宅などに匿名で送りつけられてくる。選挙区の福井県では「稲田朋美を落選させる会」と称する車が走り回る。 かつて安倍晋三前首相に重用され「保守の新星」と呼ばれた稲田さんが、夫か妻の旧姓使用を法的に保護すると提案したことや、性的少数者(LGBTなど)への理解増進法制定に動いたことに、安倍イズムの信奉者が一斉に反発した。近親憎悪の典型例だ。 今月、本人の新著「強くて優しい国」(幻冬舎)が出版された。ユニークな家族・半生の紹介に続いて、なぜ名字の問題やLGBT問題に取り組むのか、自らの政治哲学に力点が置かれている。