シカの食害が深刻な那賀町で5日、シカ肉料理を食べて森林保護を考えるイベント「きさわ鹿の森フェスタおいしく食べて守ろう!ナカの自然」(四季美谷温泉主催)が初めて開かれ、約300人の来場者でにぎわった。 那賀町横谷の同温泉前に、シカ肉入りの塩焼きそば、シカとイノシシの肉を使った「山賊鍋」など、多彩なシカ肉料理の屋台が並んだ。先着100人には、果物などで作ったたれに数日間漬けて柔らかくしたシカ肉のバーベキューが振る舞われ、家族連れらが焼きたてを味わった。施設内には、シカやサル、イノシシによる食害の実態を紹介する写真や図のパネル展示もあった。 イベントは、食害をもたらすシカを地域の資源と位置づけ、食べることで自然保護につなげようと企画した。家族で訪れた徳島市南昭和町4の公務員、多田圭一さん(50)は「シカは初めて食べたが、思ったよりも柔らかくてくせもない。食べることで自然保護に協力できれば」と