<カントリージェントルマン> 日本の若者が指でVサインを作り、「ピース」といって写真に納まる姿を目にすると、心中穏やかではない。Vサインを裏返して相手に手の甲を向けるしぐさは、英国人にとってこの上ない侮辱の印だからだ。それが現在のような形で使われるきっかけを作ったのは、英元首相のウィンストン・チャーチルだという。葉巻愛好家の彼は、相手にむかっ腹を立てると、太い葉巻をはさんだまま2本の指をふりかざすクセがあった。それをいさめられると、この老練な政治家は手をくるっと回して「Victory(勝利)のVだ」と切り返した--ということらしい。いずれにせよ、Vサインは「平和(ピース)」とは無縁なのだ! 古く封建時代から、Vサインは相手への侮辱、挑発だった。1000年以上もの間、野生動物を狩り、その肉を食べることは王侯貴族の特権であり、庶民が弓矢で鹿を射ればつるし首、もしくは二度と弓を引けないように人さ