◆従来の3センチ大、効果上がらず アワビの稚貝放流を現在の3センチ大ではなく、5センチ大にすれば、漁獲量は倍増すると見込めることが、県水産研究所などの調査研究でわかった。放流効果が上がらず、アワビの漁獲量が激減している一因として、稚貝が3センチと小さく食害に遭うことなどが考えられている。5センチ稚貝の放流は、縮小する海女漁業を守るための切り札として期待されている。(中村和男) 県内でアワビの稚貝放流は1975年頃から始まった。放流量は年によって変動があるが、増える傾向にある。一方、アワビの漁獲量は95年に200トンを切り、2014年は62トン。ピークの66年(752トン)に比べ、1割未満だ。 原因の一つに、放流する稚貝が3センチと小さいことが考えられている。海底では3センチほどの貝殻が多く見つかり、岩に吸い付く力が弱く、多くがタコなどに食べられてしまうとみられる。 県水産研究所は09年、鳥