疑惑まみれ裁判で死刑になった少年ウィリー・フランシス 歴史上、死刑執行に失敗してやり直した事例はいくつもあります。 アメリカ・ルイジアナ州で1944年に起きた殺人事件の容疑者ウィリー・フランシスも、死刑執行をやり直した人物の一人です。 ただし、この死刑執行とその前後の顛末はあまりにもむごたらしく、アメリカ現代史の黒歴史の一つといってもいいと思います。 ちょっと胸糞悪い話なので、苦手な方はご注意ください。 1. 薬剤師アンドリュー・トーマス殺害事件 1944年11月9日、アメリカ・ルイジアナ州セント・マートンヴィルの薬剤師アンドリュー・トーマスが、自宅にて至近距離から5発の銃弾を受けて死亡しているのが発見されました。トーマスの自宅からは財布や懐中時計といった貴重品が盗まれており、警察は金銭目当ての殺人事件として捜査を開始しました。 ところが、捜査開始後9カ月近くも何も糸口がつかめず、警察は焦