若手官僚の早期退職、国家公務員採用試験の申込者数の減少など、霞が関が没落の危機に直面している。この現状を、ドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」の主人公ともなった小川淳也・衆議院議員と、18年半の間厚生労働省に勤務した千正康裕氏が語り合う。 (『中央公論』2023年5月号より抜粋) 霞が関から離れていく若者たち ──霞が関で働く官僚が疲弊しているという声が、各方面から聞こえてきます。実際に若くして退職する官僚も多く、国家公務員採用試験の申込者数も2017年度から21年度まで5年連続で減少しています。旧自治省(01年に総務省に統合)の官僚から地盤を持たないまま政治家へと転身された小川さんと、厚生労働省の官僚からコンサルタントへと転身された千正さんには、今の霞が関はどのように映っていますか? 千正 若手官僚の離職はもはや普通のことで、誰も驚かなくなっていますね。僕自身は01年に